F2007
メーカー・スケール | フジミ 1/20 GP11 |
車種名 | F2007 マールボロ仕様 キミ・ライコネン車 |
製作時期 | 2009.10.24〜2010.01.31 |
定価・お薦め度 | 4725円(税込) ★★★★☆(4) |
コメント |
2007年シーズン、マクラーレン・メルセデスから移籍してきたキミ・ライコネンが最終戦ブラジルグランプリで優勝し、ルイス・ハミルトンにわずか1ポイント差でドライバーズポイントを逆転しワールドチャンピオンに輝いた時のマシンがフェラーリF2007です。野球にたとえるなら正にさよなら逆転満塁ホームラン、そんな劇的な最終戦でした。その記念すべきマシンをフジミ模型からリリースされました。シーズン開幕前、2002年から5年間スポンサー契約が続いたボーダーフォンがフェラーリとのスポンサー契約を解消し、マクラーレンにスポンサード変更した事が話題となり、せっかく見慣れた白い丸マークが姿を消して少々殺風景になってしまったのが印象的でした。ボーダーフォンのマークはフェラーリのマシンにどれだけインパクトを与えていたのか伺えるわけです。そんなインパクトが薄れたマシンではありますが、過度の空力デバイスの開発競争によってこの年のマシンには様々な空力付加物が取り付けられ、逆に空力デバイスの存在は圧巻です。正直、私はこのキットを作るまでは、ここまでいろんな空力パーツが取り付けられていたとは思いもしませんでした。模型的には非常に格好いいわけですが、キット化するのは色々と難しかったでしょう。そんな難しい形状のマシンを、フジミ模型は実に良く再現していると私は思います。実車をスケールダウンするだけだから、そんなに難しくないだろうと一見思われますが、スケールダウンする中にはいろんな問題点があったと推測します。そんな複雑なマシンをリリースしてくれたフジミ模型に敬意を表したいと思います。しかも組み立てやすいし完成度も高い。失礼な表現かもしれませんが、これはフジミにしては当たりのキットだと私は思います。
さて、製作です。キットにはきちんとエンジンも再現されている訳ですが、実車のカウル分割ライン通りにカットしてリアカウルを作成しようとすると最後にエンジンカウルがラジエターに引っかかって閉まらなくなってしまいます。これは実際のF1マシンのカウルが柔軟性に富んでおり左右にカウルをたわませてカウルを填め込む形式になっているからです。しかし、プラスチックモデルの場合、実車のようにカウルを左右にたわませる訳にはいきません。実車通りの分割ラインで作成する場合、エンジンカウルが閉まらなくなるという問題点が発生します。そこで私は、この際エンジンはオミットして初めからカウルを固定して開閉しない、プロポーションモデルで作成することにしました。カウルを固定することによって、実車通りの分割ラインを再現することにしました。エンジンカウルの開閉モデルを作る場合、最後に塗料の厚みとか自然変形とかでカウルが填らないと言う問題点が発生しますが、初めからカウル固定で作ればそんな問題も皆無です。若干手を抜いた感じもありますが、その分カーボンで地の再現に力を入れることにしました。 塗装に関しては、ガイアカラーからリリースされましたフェラーリ専用カラーのメタリックレッドを選びました。この塗料はメタリックレッドとクリアーレッドの2色で発色するという珍しい塗料ですが、仕上がりは一品。普通のメタリックレッドでは再現できないキャンディーレッドに近いレッドを表現することが出来ました。ガイアノーツは実車のフェラーリの色に合わせて調色しているようなので、F2007には一番近い色ではないでしょうか。2007年以降のフェラーリのマシンにはメタリックカラーが採用されていますが2009年のマシンまでにはこの塗料でいけるかと思います。次はF60あたりをこの塗料で製作してみたいですね。 フジミ模型はF1キットを精力的にリリースしてくれてF1ファンにとっては非常にありがたいメーカーです。フジミに感化されてか、プラモデル業界でにわかにF1ブームが到来しています。2年前までF1模型界は氷河期と言われていましたが、最近次々と新しいキットがリリースされています。これも全てフジミ模型のおかげ。ほんと、フジミ模型に足を向けて寝ることは出来ません。この調子でどんどんリリースしてほしいですね。次回はFW16あたりを作りたいです。フジミ模型に感謝です。 |