シトロエン C4 WRC ’10
メーカー・スケール | エレール 1/24 bW0756 |
車種名 | シトロエン C4 WRC ’10 |
製作時期 | 2012.04.23〜2012.06.30 |
定価・お薦め度 | 4200円(税込) ★★★☆☆(3) |
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2010年、WRC(世界ラリー選手権)は全13戦行われ、シトロエンC4を操縦するセバスチャン・ローブ/ダニエル・エレナ組はシーズンを通して圧倒的な強さを見せつけ、8回もの勝利を手中に収めました。ローブは2位のヤリーマティ・ラトバラに105ポイントの大差を付け通算276ポイントを獲得し、ドライバーズタイトルを獲得しました。ローブにとっては7年連続のWRCチャンピオン、チームにとっては6度目のマニュファクチャラーズタイトルを獲得し、シーズンを通してシトロエン・トタルWRTチームが活躍を見せつけました。 キットは、ドライバーズ、マニュファクチャラーズチャンピオンが決定した第11戦ラリー・フランス仕様。 さて、製作を振り返ってみますと今回のキットはエレール製ということで、自身初の外国製のキットの製作。国産メーカーしか作ってこなかったので、少々不安を抱えながらのスタートとなりましたが、ボディーも各パーツも非常にシャープですし、クリアーパーツもタミヤ製のような透明感。最近の設計ということもあって、国内メーカーと遜色のない構成です。パーツ点数は63点とかなり少なめで、エンジンレス。足回り関係も非常にあっさりとした表現となっており再現度は低いです。ただ、プロポーションモデルとして仕上げる人にとっては作りやすいのでグッド。私もすぐに飽きてしまうほうなので、これぐらいのパーツ構成の方が好きです。逆にガッチリ腰を据えて製作したい人にとっては物足りない物となるでしょう。室内も必要最小限の物しか再現されていないので、エッチングパーツ用意したいところ。私はスタジオ製のエッチングパーツを使用しました。また、シートベルトも追加してあげたいディテールアップのポイント。これがあるかないかでは室内のボリューム感も変わってきます。タイヤは固定式でキット設計では蛇角が切れないようになっています。これでは面白みがないのでちょっとした改造で自作のタイロッドを作成し、蛇角を切れるように作り替えました。 ただ、このキットの一番の要がマーキング。デカールはルネッサンス製の物が付属されていてレーシングカー特有のスポンサーロゴ満載の華やかなマシンデザインとなっておりますが大判のデカール、特にフェンダー部の黄色いデカールをキットの形状に合わせて綺麗に貼るのは至難の業。そこで、私はデカールを使わず、塗り分けを行うことにしました。また、デカールでは用意されていない色もありましたので、塗り分け塗装は必須です。ただ、塗り分け塗装を綺麗に行うのはかなり難しいテクニックを必要とされます。私は、デカールをスキャニングし、その輪郭を元にCADでカッティングデータを作成し、カッティングマシンでマスキングシートを作成するという、反則気味の技でこの塗り分けを切り抜けましたが、普通にマスキングテープを貼って塗り分けるのは非常に難しい作業となるので、ビギナーの方には難易度の高いキットと言えるでしょう。かといって、デカールを使用しても前述の通り、綺麗にボディー形状に馴染ませるのもまた難しい作業。せっかく組みやすいキットなだけに、ちょっと残念です。が、レーシングカーを作る上では避けて通ることが出来ない作業です。 今回の作例でちょっと残念だったのがウレタンクリアーの硬化不良。何日たってもクリアーが硬化してくれませんでした。ただ、完全に硬化してないだけであって、ある程度研ぎ出してもツルツルピカピカになってくれました。今後、この艶が後退していく可能性があるので、少々残念な点。せっかく塗り分けがビシッと決まったのに惜しい気持ちでいっぱいなのですが、これもまた勉強。次回は硬化不良を起こさないようにクリアーの配合を慎重に行いたいと思います。 全体的に塗り分けが綺麗に決まったので、完成するまでずっとモチベーションを保ちながら、一気に完成に持っていけました。久しぶりに満足のいく完成品となりました。総評ですが、非常に組みやすいキットなので★5つとしたいところなのですが、やはり、塗り分けの試練を乗り越えなければならないので、★3つとさせていただきます。塗装の腕に覚えのある方はチャレンジし甲斐のあるキットです。 |