XANAVI NISMO GT−R

メーカー・スケール タミヤ 1/24 スポーツカーシリーズbR08
車種名 ザナヴィ ニスモ GT-R
製作時期 2008.11.10〜2008.12.10
定価・お薦め度 4200円(税込) ★★★★☆(4)
コメント 2007年10月東京モーターショーでスカイラインGT-Rの名をそのまま受け継ぎ、GT-Rとして市販車タイプが発表されてわずか5日後、レース仕様のGT-Rが鈴鹿サーキットを疾走するという、前代未聞の登場に誰もが驚かされたスーパーGT仕様のGT-R。ニッサンが総力を挙げて本気で勝ちにきたことがうかがえます。
2009年レギュレーションを見据えて設計・開発されたフォルムは低床・低重心で望んだ2008年開幕戦鈴鹿、GT-R勢がポールポジションを含む1・2・3を独占しパフォーマンスの高さを証明しました。決勝でも危なげない走りで独走し、ザナヴィ、モチュールの順にゴール、1−2フィニッシュを決めました。デビューレースでいきなり優勝を遂げたザナヴィ勢はその後もコンスタントに勝利を積み重ね、2008年の年間王者へと上り詰める結果となりました。

さて、そんな衝撃的なデビューを果たしたザナヴィ ニスモ GT-Rですがタミヤから市販車バージョンに続くGT仕様も発売となりました。昨年はトヨタのレクサスSC、その前の年はホンダNSXと順当に行けばニッサンの年だと予想は付きましたが、その予想を裏切らず、見事にリリースしてくれました。そういった意味でも、GT仕様のマシンはキット化に恵まれているなと実感。なんと言ってもこのプラモデル業界にとって氷河期の時に新金型のマシンを作ることが出来る喜び、タミヤ模型には本当に感謝しなくてはいけません。

キットに関しては本当に申し分のない内容。最近のタミヤのフルコースといえば着色済みのクリアーパーツ、インレットマーク、ウインドウ塗装用のマスキングテープ、そしてカルトグラフ社製のデカール。誰でも簡単に高品質に仕上げられるよう配慮されています。また、パーツの一つ一つを見てもとてもシャープで厚ぼったさを感じさせず、パーツの合いも一級品。製作する前は少々華奢なイメージがありましたが、作ってみると心配ご無用。全てが計算し尽くされた設計になっていて、改めてタミヤの設計の凄さを思い知らされました。

最近のGT仕様のマシンは室内の温度上昇を防ぐためルーフ部等の一部をメタリック調にするマシンが増えてきていますが、問題はそのメタリック調をどのように模型で表現するか。レイブリックNSXを作成したときも一級品のカルトグラフ社製のデカールを持ってしてもメタリック調デカールはトップコートできないという欠点があり、トップコート派にとっては悩ましいデカールとなったわけですが、今回のキットではデカールではなく初めからメッキパーツでメタリック調を再現できるようパーツが用意され、トップコートを塗装しても全然問題なし。見事に改善されていたので、そんなところからもタミヤ、やるなと思いました。
また、ザナヴィカラーは黒と赤の塗り分け塗装になるわけですが、問題は塗り分けラインが塗装した色とデカールとがピッタリ合うかどうか。これに関してはかなり難しい問題なのですが、この辺も寸分の狂いがないように設計されておりタミヤの純正色を使えば色もピッタリ合うというすごさ。本当にストレスを感じさせることなく製作できる優良キットです。

ただ、良いことばかりでもありません。やはり一番気になるのは値段。1/24スケールで4000円をオーバーすると誰でも簡単に買うことが出来るということにはなりません。決して子供が手軽に買える値段ではなくなってしまいました。プラモデルというのは失敗したらまた買って作り直すという手軽さがプラモデルとだと思います。しかし、今や失敗したらもう1台買うという値段ではありません。また、少し前の私でしたら2台買って1台は製作用、もう1台はストック用としておりましたが今の値段では1台買うのが精一杯。時代の流れとは言え少し寂しさを感じる今日この頃です。
また、今回のキットではスペアのアンテナパーツとサイドミラーパーツが付属されていました。Hのランナーがそれなのですが、個別にパーツ注文すると270円。結局私はこのパーツを使用しませんでした。この270円分をわざわざ付ける必要があったのか少々疑問です。その金型を起こすコストをかけるくらいでしたらキットの値段を200円下げた方がよっぽど買いやすくなると思ったのは私だけでしょうか。

そんなこんなで良い面、悪い面があったザナヴィですが、デカール貼り、塗り分け塗装を考えると初心者から少し腕を上げてきた人に是非作っていただきたいなと思います。気持ち的には星5つを付けたいところですが、どんな初心者でもとはいかないので評価は4つとします。非常に作りやすい優良キットでした。