ニッサン キューブ 製作記1
2005.12.18(日曜日)
フジミから新キット、ニッサンキューブがリリースされましたので、急遽製作することにしました。
フジミのキットで新発売されたからすぐに製作をスタートするのは異例中の異例。なぜ、作ろうかと思ったかというと、キットの出来が非常に素晴らしく、どこかフジミは変わったんだぞ!と言う臭いをプンプンと漂わせていたのでいきなり作りたくなってしまいました。 それでは製作していこうと思います。 |
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まずはキットのレビューから。
決してパーツ数は多くはないのですが、このサイズの車にしては、パーツは多いような気がします。それだけきちんと表現されていると言うことでしょうね。 実は私、この車のことを良く知らないんですよね。それでニッサンに行ってカタログを貰ってきたのは良いけれど、このキットはマイナーチェンジ前のモデルであって、最新のカタログには載っていません。 でも、マイナーチェンジですからほぼ一緒なので、とりあえずカタログを眺めながら作っていこうかと思います。 |
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それでは作っていこうかと思います。
まずはタイヤをホイールに填めるところから。 で、作業をしていて気になったのがタイヤのモールド。 写真のように片方の縁にだけ妙な凸モールドが。タイヤのパターンがきっちり表現されているだけに非常に惜しいですね。 でも、完成したときに特別見える場所でもないのでOKとしましょう。 |
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いきなり完成・・・ではありません。
全てノーパーツをランナーから外し、取り付けられるパーツは取り付け、仮り組みを行いました。 仮り組みの段階で特別合わない箇所もなく、非常に良キットです。 この辺から、最近のフジミは違う臭いが漂っています。 ちなみにシャシーはおそらく、マーチの流用みたいです。 |
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車高もトレッドも私的には調整の必要はありません。
なかなか良いですね。 少しアンテナがオーバースケールです。これをどうしましょうか。考えどころです。 ホイールも、実車を良くとらえていると思います。 |
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ボディーのパーティングラインはこのようにくっきりと入っております。これを消すには結構ヤスリをかけないといけないでしょう。パーティングラインはプラスチックモデルの永遠の宿命ですね。
キューブ一番の特徴のリア・サイド一体ガラスも良く表現されています。 |
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こちらはリアのゲートにあるヒンジの出っぱり。
キットではなんとなく貧弱ですね。 実車ではもう少しなめらかに太く出っぱっております。 これを再現しようか考え中です。 |
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このキットの一番気になるところはルーフの黒いラインにあたる凹モールド。
キットでは最後までモールドされていません。 これを削って延長してあげなければいけませんね。 |
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インパネも非常に良く再現されていると思います。
ほとんど手を加えなくても良いでしょう。 ドアの内側も実車を忠実に表現されているのでとてもリアルです。内装はなかなか良く表現されていると私は思います。 ただ、シートはいつもの通り裏側が凹んでいますので、パテを盛らなければなりません。 あと、若干気になるところは内側と窓ガラスのラインがぴったり合ってない感じがします。これを修正するのは難しいので私は気にしないで製作します。 |
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フロントバンパーは別パーツで構成されていますが、合いもぴったりで修正を必要としません。(仮り組みなので、写真では合っていませんが)
あと、フロントグリル、フォグランプなどの塗り分けを必要とするパーツは別パーツ化されました。これは有り難いですね。今までのフジミのキットではあまり無かったので、こういうのはドンドン取り入れてほしいです。 パーツの塗り分けもあまり無いので、塗装もそんなに難しくはありません。早い人だと1週間くらいで仕上げられるのではないでしょうか。 次回から加工していこうと思います。 |
2005.12.21(水曜日)
ボディーをながめているともう一つ気になった箇所が。
サイドウインカーのこの部分。 キットではクリアーパーツが付属されてませんでした。 これは痛いですね、これくらいどうせなら付けてほしいですね。 仕方がないので、透明プラ板で自作することにします。 |
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さて、内装パーツの加工に入ります。
その前に、ヘッドレストのパーツが折れていました。 この部分はかなり貧弱に出来ているようです。 今後も折れる可能性があるので、金属の物に置き換えることにします。 |
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虫ピンがちょうど良い太さだったので、使うことにしました。
ピンバイスで0.5ミリ、0.8ミリと穴を広げ虫ピンを適当な長さに切って刺し込めば出来上がり。 意外と簡単に出来ました。 虫ピンの金属感が本物っぽいですね。ちょっとしたディテールアップにもなりました。 |
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続いてシートの裏側をパテで塞ぎます。
今回使用するのはタミヤのエポキシパテ。2色の粘土状の物を練り合わせて使用します。 このパテ、そのまま練ってはべと付いて手にくっつくので水を付けながら十分に練ると手に付かなくて良いです。 これをシートの裏側に盛っていきます。 |
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フロントバンパーも仮り組みの結果、先に接着して問題なかったので瞬間接着剤で固定します。
それだけですと、少々強度に不安があるので裏側から先程練ったパテを裏打ちしておきます。 だいたい一晩おいておけばカチカチに固まるので、このまま放置しておきます。 このエポキシパテは水に浸しておけば1時間は固まらないので、次の作業に移るまで間隔があるときは水に浸しておくと良いでしょう。 |
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ついでに気になっていたリアゲートのヒンジの出っぱり部分にもエポキシパテを盛っておきます。
パテが乾ききった後、ペーパーで整えることにします。 |
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シート裏もこのまま一晩乾燥させます。
明日には整形できるでしょう。 これだけパテを盛ると、整形が大変です。 シートの裏の処理って面倒ですね。 |
2005.12.26(月曜日)
パテも完全に乾きましたので、ボディーの整形を開始します。
まずは、リアゲートのこの部分。資料を見ながらちょうど良い形にヤスリで削っていきます。 だいたいこれくらいで良いでしょう。あとはサーフェイサーを吹き付けてみてから判断します。 このほかにも、パーティングラインを#400の紙ヤスリで消していきます。 筋彫りは全体的にしっかりと入っているのですが、念のために掘り直します。
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ルーフのモールドを掘り直します。 キットのままだと、途中でモールドが無くなっているので棒ヤスリの細いやつで削り込んでいきます。 余計な部分を傷つけないためにマスキングテープを貼っておきましたが、気休め程度にしかなりませんでした。でも、やらないよりは良いでしょう。 だいたい下地処理が完了したところで全体的にスポンジヤスリでボディー全体を傷つけます。これは、塗料の付着を良くするためです。 これで下地処理が完成です。ボディーはすぐにでもサーフェイサーを吹き付けることが出来ますが、他にサーフェイサーを吹き付けるパーツがありますので明日以降、下地処理をして一緒に吹き付けようと思います。 |
2006.01.04(水曜日)
久しぶりに製作再開です。
といっても、ほんの少しだけ。 まずはナンバープレート。 キットのままだととても分厚いのでヤスリをかけて薄く削ります。 左側が加工前。右が削った物。 本当はもっと薄く削った方が良いのですが、やりすぎると折れてしまうのでこれぐらいで止めておきます。 |
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シートもパテを盛っておいたのが乾いたので整えます。
実はこの作業がとても大変だったりします。 エポキシパテは、ヒケも少なく盛りつけにも向いている分、硬化後は非常に硬いのでヤスリで平らにするのは非常に大変です。この作業だけで結構な時間を費やしました。 |
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その他のパーツも下地処理を行います。主に内装関係です。
内装の成形色で黒とグレーがありますので一度同じ色合いに整えるためにもサーフェイサーを吹き付けることにします。 これで内装は塗装を残すのみとなりました。 足回りの下地処理が終われば全てのパーツの下地処理が完了です。 ボディーの塗装もしていないので、早いところサーフェイサーを吹き付けなければなりませんね。 |
2006.01.05(木曜日)
ボディー、室内関係のパーツにクレオスのサーフェイサーを吹き付けました。
サーフェイサーを吹き付ける前は、ボディーの成形色が白のため細かい傷などが発見できませんでしたが、やはりアラはたくさんありました。 |
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ルーフの筋彫りで手元が狂った時のひっかき傷が発見できました。
サーフェイサーは下地を整える(塗料の食い付きを良くする)ほかに、このような細かい傷を発見することが出来るので、ボディーには必須下地処理剤です。その他の役割として、グレーサーフェイサーは隠蔽力が強いため下地の色を統一するという役割もあります。 室内パーツでシート裏、ヘッドレストのパテの整形もまだまだ甘いみたいでもう少しヤスリで整えなければなりません。 まだまだ下地処理が続きます。 |
2006.01.13(金曜日)
キューブの下地処理を再開します。
傷が有った箇所をもう一度ヤスリをかけます。 気になったところをすべて処理します。 |
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そしてサーフェイサーを吹き付けました。
もしこれでまた問題が有ればヤスリがけを行います。 しかし、これで下地が綺麗に整いました。 少し時間をおいてからクレオスのベースホワイトを吹き付けます。 今回は箱絵と同じエアブルーに塗装しようかと考えております。 |
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サーフェイサーを乾燥中に他の色を塗装してしまいます。
いつもの通り、洗濯ばさみで識別した色によって塗装する色を変えます。 薄い緑色にはシルバー、黄色とピンクにはベースホワイト、薄い青色には黒鉄色、緑色にはグレーをそれぞれ吹き付けました。 パーツによっては更に塗装しなければならないので一晩おいてから塗装します。 |
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他のパーツを吹き付けた後、最後にボディーの塗装を行います。
もともと一部分にしかサーフェイサーを吹き付けていなかったので乾燥時間は短くて良いでしょう。 写真はクレオスのベースホワイトを吹き付け終わったところ。この後一晩おいて本塗装を行いたいと思います。 クレオスのライトブルー#323に白を加えて薄いブルーに仕上げたいと思います。 |
2006.01.16(月曜日)
今日はいよいよ本塗装を行います。
まずは、ボディーカラーの調色です。 今回私が描いているイメージは薄い水色の車です。 クレオスの#323ライトブルーに#1ホワイトを加えて薄いブルーを作ります。だいたい2:1の割合で加えてみました。 |
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試しにティッシュに色を載せて色味を確認します。
左がライトブルーの原色です。そして右が調色してレベリングシンナーで薄め、エアブラシ塗装用に作った色です。 だいぶ原色より薄くなり良い感じになりました。この色をボディーに吹き付けていきたいと思います。 |
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実車ではエアブルーという色に近づけたいと思います。キューブのカラーの中では一番薄いブルーです。
カタログではこんな感じ。まさにキットの絵箱と同じカラーです。 イメージ通り仕上がるでしょうか。 |
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そして調色した色で塗装してみました。
結果、自分の描いていた色より濃くなってしまいました。本当はもっと薄いブルーにしたかったのですが。 やはり模型というのは縮小スケールですので、薄いと思って吹き付けてみも濃くなってしまいます。もう少しホワイトを加えて薄めれば良かったなと反省。 でも、鮮やかなライブルーになったので許容範囲内です。実車スケールで塗装すると、イメージ通りだったと思います。 |
2006.01.18(水曜日)
実は昨日、密かにデカールのみ貼っておきました。
時間がなかったのでそれしか作業は行いませんでした。 今日はクリアー塗装を行います。 今回使用するクリアーはクレオスのスーパークリアーUです。 このクリアーは比較的扱いやすく、私は一番慣れていてトラブルも少ないです。いつものように3回に分けて吹き付けようと思います。吹き付ける間隔は、デカールが少ないので2時間おきに3回吹き付けます。 |
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それではクリアー塗装の開始。
まずは一回目。 最初は、下地の塗料とクリアーとを馴染ます程度に軽くクリアーが乗るぐらいで吹き付けます。 少量のクリアーなので、吹き付けた後すぐに触っても大丈夫なくらいです。一回目はこの程度で良いでしょう。 この後約2時間くらい放置して乾燥させます。 |
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クリアーの乾燥待ちの間に室内関係の塗り分けの準備を行います。
まずはインパネ。 マスキング自体細かく、複雑なラインにマスキングテープを貼らなくてはなりません。非常に大変です。マスキングテープが貼りづらい箇所にはマスキングゾルを流し込みます。 マスキングテープの境界線を馴染ませるにはタミヤの調色スティックの先端を使うと便利です。ちょうど、先端は丸みを帯びていますので細かい箇所も密着させることが出来ます。 インパネにはクレオスの黒鉄色を吹き付けます。 |
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続いてはシートのマスキング。
こちらにはインストの指示通りクレオスのジャーマングレーを吹き付けます。 それにしても、インパネ・シートとマスキングを行いましたが、地味な作業でかつ時間がかかるのでとても面倒です。 が、綺麗に塗り分けるためにはきちんと行わなければいけませんので手を抜かず作業します。 タミヤの調色スティックでも届かない箇所は、ピンセットの先端を使うと良いでしょう。 |
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そろそろ2時間が経過しましたので2回目のクリアー塗装を行います。
2回目はクリアーを満遍なく吹き付けます。といっても、クリアー層を成形させるような間隔で吹き付けます。このときは、あまりツヤのことは意識しません。 このクレオスのスーパークリアーU、乾燥がとても早くて良いです。でも、今現在の乾燥は表面だけなので、完全に乾いているわけではありません。 しかしこの時期、湿度が非常に低い(約30%)ので、塗装には向いているのですがホコリが非常に飛び交います。途中で何度もホコリが付着し、ピンセットで取り除きました。 |
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外のパーツも塗装してしまいます。
写真はインパネ。 黒鉄色を吹き付けてすぐにマスキングを外してしまいます。 今回は丁寧にマスキングを行ったので、特別は乱す箇所もなく綺麗に塗り分けることが出来ました。 |
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シートも綺麗に塗り分けることが出来ました。
ジャーマングレーは濃いグレーで、ほぼ黒に近いです。 インストの塗装指示はおそらく実車のカーボンブラック内装に見立てているのでしょう。 今回のキューブはほぼインスト通りの塗装指示で塗装しております。 |
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そして最後のクリアー塗装を行いました。
3回目はツヤを意識ながらたっぷりと吹き付けます。 写真の通り良いツヤを出すことが出来ました。 しかし、ラッカー塗料の場合、乾燥後もこのツヤが保かというとそうでも無いみたいです。乾燥と同時にツヤが徐々に消えていきます。どうしても吹きっぱなしと言うわけにはいかないみたいです。乾燥後はコンパウンドで表面処理を行います。 |
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ところで、3回目のクリアー塗装途中で変な付着物がクリアーと一緒に出てきてしまいました。
まさかと思ったのですが、やはりエアブラシの汚れが自然とクリアーに溶け出して一緒に出てきたみたいです。今考えれば、しばらくエアブラシのオーバーホールをしていませんでした・・・最後にオーバーホールしたのはインプを製作しているときで、3ヶ月以上前です。 ベネトンB192を製作したときとまったく同じ現象です。こんな事ならクリアー塗装をする前にエアブラシのオーバーホールをしておくんだった・・・ どうしましょうかね、せっかくここまで来たのに。目をつぶってこのまま続行するか、ヤスリを当てて補修塗装を行うか、乾燥を待ってから考えようと思います。 |