FIAT500 F1グランプリ仕様 製作記2

 

2009.10.21(水曜日)

今日は本塗装を行います。

昨日の予告通り、ガイアノーツからフェラーリ限定カラーが発売されましたので、これをFIAT500に使いたいと思います。

価格は4200円(税抜)とちょっと高めですが大瓶に入っているのでしばらくフェラーリレッドに心配することはありません。また、フェラーリの実車の塗料に近い調色になっているので、この塗料を使えばほぼ実車通りのカラーを再現することができます。

5種類の跳ね馬カラーが入っておりますが、その中からbQの近年ロードカーの塗料をチョイス。この塗料はセットの中では一番明るいレッドとなっております。

塗装は最後に行うとして、つや消しブラックを塗装するパーツ群の下地処理を行います。

今回のキットの塗装のほとんどがつや消しブラックなので、一気にやっつけちゃいます。

まずは、シートから。シートは背面のパーツが付属されているのでがっちりと接着して合わせ目を消していきます。

合いも非常に精度が良く、ピタッと合わせることができます。

あとはゲートの処理や気になるパーティングラインを消して、持ち手をつけます。

今回のキットのゲートは所々にアンダーゲート化されているので、下地処理が楽になるように配慮されている気がします。

特に最近のフジミのキットは、極力アンダーゲートになるように設計されているので模型製作をする立場としては非常にありがたいですね。

下地処理が終わりましたので、ボディー関係の本塗装とつや消しブラックの塗装を行います。

そして、ボディーにガイアカラーのレッドを塗装し終えました。

写真では分かりづらいですが、なかなか明るいレッドに仕上がっています。同社のブライトレッドに近い印象です。

相変わらず乾燥が早くて、塗装もムラになりにくく、気楽に塗装することができました。レッドは塗装ムラがでやすいので、非常におすすめの塗料です。

一晩乾燥させて、明日はデカール貼りを行いたいと思います。

 

 

2009.10.22(木曜日)

本塗装が終了し、塗膜もだいぶ堅くなったので今日はデカールを貼っていきます。

今回のデカールは、なかなか発色の良いデカールがついています。以前に作ったF430チャレンジのようなデカールが透けるということはなさそうです。シルクスクリーン印刷されているのでしょうか。

ただ、心配なのが、フジミのデカールは設計が甘いところが多々ありますので、今回は上手く貼ることができるでしょうか。過去に何度かフジミのデカール満載キットを作っていますが、いずれも設計がおかしいところがありました。はたして今回はどうでしょうか。

それでは貼っていきます。デカールの質感は貼ってみないと分からないので一応各社のデカールフィットを用意してみました。タミヤのデカールフィットを使うのは初めてなのでどうでしょうか。

まず最初に一番難しいであろう、ボンネットのデカールから貼っていきます。

ボンネットには凸モールドが表現されており、ここに大きなデカールを貼るのは困難です。また左右に伸びたラインのデカールは細いので位置決めが難しいです。

デカール軟化剤を使って凸モールドに馴染ませていくわけですが、このデカール、非常に硬くてなかなか上手く馴染んでくれません。デカール軟化剤の中でも強力とされているモデラーズのデカールフィットをもってしても、なかなか馴染んでくれません。

馴染ませるのに苦労しつつも作業は進めていきます。

フェラーリのエンブレムを貼り付けようとしたとき、箱絵のサイズをみてみると、明らかに付属のデカールが小さいことが確認できました。

写真ではそんなに違和感がないように感じますが、実際はかなり小さいです。

キット付属のデカールですから、そのまま貼っても良いのですが、小さすぎてバランスが悪くなりそうなのジャンクデカールから良さそうな物を探すことにします。

以前にF2001を作成したときに余ったデカールでノーズコーン部のエンブレムが良さそうなので、このジャンクデカールを使いたいと思います。

サイズ的には2倍くらい大きくなったのですが、これくらい大きい方が模型的には良いと思います。

そして貼り付けてみました。

若干オーバースケールですが、キットの付属の物よりは良くなりました。

ちなみにFIATのエンブレムのデカールは左右にシルバーのデカールも付属されていましたが、そこは切り離して貼り付けていません。この部分は最後にメタルックを貼ってメッキ感を表現したいと思います。

さて、エンブレムの問題は解決したので後は特段問題ないなと思っていた矢先、思わぬ落とし穴にはまりました。

それはこのデカール。

寸法、形状が全然合っていません。デカールの文字はオーバースケールですし、白い部分も上手く合いません。

やはり最初の懸念通り設計がおかしな部分がありました。この下にくるフリヂストン、AMDのロゴもオーバースケールです。

これはもう、修正のしようがないので上手く誤魔化しつつこのままこのデカールを使うことにします。

色々と問題はありましたがデカール貼りは終了です。デカール自体の質感は良いのですが、硬くて貼りづらく破けやすいデカールです。

Cピラーのデカールがおかしくなってしまったので、なんだか変な仕上がりです。無理矢理合わせたので、ラインも斜めになってますし・・・

せっかく格好いい車に仕上がるはずだったのに非常に残念です。フジミ模型さん、もう少し実際に作っておかしくないか検証してくださいよ・・・

てなわけで、今日の作業は終了。一晩乾燥させてクリアー塗装へと進めていきたいと思います。

 

 

2009.10.23(金曜日)

今日の作業はケース固定用のナットの取り付けから。

3ミリ用のナットをシャシーに直接瞬間接着剤で接着し、ナットの2辺にぴったり合うように3ミリのプラ角棒で補強します。

シャシーの反対側は、完成後に見えなくなるので確実に固定さえされれば粗雑になってもかまいません。

続いての作業は、窓枠のマスキングシート作成。

いつものように、カッティングマシンを使って、マスキングシートを作成していきます。

今回は、キットにマスキングの型枠シートが付いていたので、割と簡単にかつ綺麗に製作することが出来ました。

何度か大きさを調整し、作成したデータをカッティングマシンで切り抜いたら完成です。

早速貼ってみました。

我ながらうまくいきました。

型紙だけでも付けてくれると非常に助かります。

あとは内側からつや消しブラックを塗装するだけです。

ちなみに型紙にはウインドウの外側のマスキングシートも付いていましたが、貼り付ける意味があまりなので無視しました。外側は、窓の形状に関係なく全てマスキングします。

続いては本日のメインイベント。

ボディーのクリアー塗装を行います。

私は今までクリアーはエンジンウレタンを使用していたわけですが、最近エンジンウレタンの柔らかさに疑問を感じ、今回はフィニッシャーズのウレタンGP1を使用することにしました。

エンジンウレタンも、希釈をしっかりすれば柔らかくなるのを抑えられるとは思うのですが、私の使っているコンプレッサーのL5は圧が弱いため、どうしてもシンナーを多く入れる必要があります。

フィニッシャーズのウレタンGP1は、どんな具合でしょうか。

説明書きを読みながら、分量をきちんと計量して調合してみました。

主剤(クリアー)10に大して硬化剤は1。それだけでは粘度が高いので、専用のシンナーを3割程度足して調合してみました。

吹いた感じはとてもよさそう。透明感もエンジンウレタンよりも高いです。

さすがにこのウレタンGP1は良いですね。値段が高いだけあります。エンジンウレタンに比べたら、量は半分で値段は倍。単純に考えてもエンジンウレタンより4倍のコストがかかっています。

最低2日間以上は放置して、完全乾燥させます。

今日の最後の塗装。

ウインドウパーツにつや消しブラックを吹き付けました。

恐る恐る剥がしてみると、何とか上手く塗り分けることが出来ました。

苦労してマスキングシートを作成しただけあります。

さて、次回は足回り関係の組み立てを行っていこうと思います。

 

 

2009.11.01(日曜日)

昨日からコツコツと研ぎ出しを始めました。

研ぎ出しはいつものメニュー。

まず最初に#1500のペーパーをあててデカールの段差を消していきます。いつもなら#2000のペーパーを使うのですが、ウレタンクリアーを塗装したので番手を下げました。そして、仕上げに#2000のペーパーで全体を大雑把に削っていきます。

ペーパー当てが終わったらタミヤコンパウンド、粗目→細目→仕上げ目の順にかけていきます。

写真は全てのコンパウンドをかけ終わったところ。

写真ではあまり鏡面仕上げを伝えることが難しいのですが、今回も良い感じに仕上げることが出来ました。

各工程の写真を省いていますが、コンパウンドがけだけで6時間以上は費やしています。かなり疲れました。

ウレタンクリアーの場合、塗幕がかなり硬いので普通のラッカー系クリアーの時より工程を2倍にしております。

その分、一度綺麗な鏡面に仕上げてやればほぼツヤの後退はおこりません。

苦労が報われた瞬間です。

ただ、ところどころカドを出したところもあります。

カドが出た場所は、ボディー同色の塗料でタッチアップして誤魔化します。

幸い、ガイアノーツの塗料は隠蔽力が強いので、ほぼ目立たないでタッチアップすることが出来ました。

ボディーの研ぎ出しが完了したので、今度はブラックの塗り分け塗装を行いたいと思います。

 

 

2009.11.06(金曜日)

前回までに研ぎ出しが終わっていましたので、最後の塗り分け塗装を行います。

今日はひたすらマスキングです。

まずはサイドミラー。

サイドミラーの下側はブラックとなっています。小さくてマスキングが馴染みにくいですが、細く切ったマスキングテープ塗り分けの境界としてマスキングを施します。

続いてはインパネ。F1グランプリ仕様のインパネはレッドとブラックのツートンカラーになっております。

中央の赤い部分を残したいのでマスキングします。

特に真ん中あたりが細くなっているのでマスキングが大変です。

インストではホワイトも塗装するような指示になっていますが、実車で確認できなかったので塗装しません。

 

続いては最後の難関、ボディーの塗り分け。

ルーフ部と窓枠をつや消しブラックで塗装するので、その部分を残してマスキング。

ウレタンクリアーの上からは塗料の食いつきが悪いので、エンジンウレタン用シンナーで希釈したつや消しブラックを吹き付けることにします。気持ち、食いつきが良くなると思います。

そして塗装し、マスキングを剥がしてみました。

このマスキングを剥がす瞬間が一番緊張します。

サイドミラーは概ね良好。

ただ、ちょっとブラックの面積が大きすぎた感があります。

マスキング位置はもう少し下が良かったですね。

インパネも概ね良好。

鮮やかなレッドとブラックの塗り分けが出来ました。

この後、エアコンダクト等に筆で色を載せたいと思います。

ボディーの方もまあまあの出来。

ただ、やはり塗料の食いつきが悪く、少し触れただけでも塗料が剥げてしまいます。

剥げたところは後ほどタッチアップしたいと思います。

 

 

2009.11.07(土曜日)

今日は足回り、内装を仕上げていきたいと思います。

まずは、マフラー関係。

キットにはメッキが施されたキラキラなパーツが付属されています。

しかし、そのままだとキラキラすぎるので一度キッチンハイターでメッキを剥がします。

そうすることで、パーティングラインを消す下地処理を行うことが出来ます。

ガイアノーツのシルバーを吹き付けました。

だいぶ落ち着いた質感になったと思います。

最初はメッキのまま使おうかとも思いましたが、一手間加えただけありました。

続いてはテールランプ。

このテールランプの塗装は、クリアーパーツには塗り分けラインの目印が一切はいっていないので、仮組みをして良く見極めます。

テールランプのリフレクターの境界が塗り分けラインとなるわけですが、クリアーパーツが塗料の厚みで填りづらいので縁をデザインナイフで削りながら調整します。

私はテールランプの塗装はいつもなら外側をクリアーレッドで塗るのですが、今回はリフレクターの境界線が直接塗り分けラインになるので、リフレクターに接する側(クリアーパーツの内側)を塗装しました。そうすることでクリアーパーツの厚みで屈折しても違和感なく仕上げることが出来ます。

足回りパーツの組み立てを行いました。

フロント部は2ミリほど車高を下げているので、このままだと2ミリほど遊びが出来てしまいます。そこで、サスペンションロアアームの受け側に2ミリのプラ板を接着して遊びを無くしました。

白い部分がプラ板です。

先ほど塗装したマフラーを接着して足回りの完成です。

パーツ構成は非常にシンプルで省略するところはされていますがリアルさはそこそこ追求されています。

フジミの良さが全面に出ていると思います。

こちらはインパネ。

いつものようにメーターにはデカールを貼った後、エポキシ接着剤(透明たいぷ)をたっぷり流し込んでいます。

十数分で硬化します。

エアコンダクトをブラックで筆塗りし、その周辺をカッティングマシンでくり抜いたメッキデカールを貼り付けてみました。写真では分かりづらいですがそこそこリアルに再現できました。

中央部のハザードランプと両サイドのボタンも筆塗りで再現しています。

シート、ドアの内張、インパネを接着して内装の完成です。

内装も実にシンプルなパーツ構成ではありますが、組みあげると立体的で、リアルに仕上がりました。

ハンドブレーキ後方のドリンクホルダーもリアルに造形されています。

ハンドル周辺はこんな感じ。

赤と黒のコントラストで鮮やかに再現できましたが、写真では赤と黒の組み合わせは相性が悪いようで分かりづらくなってしまいました。

もう少しスイッチ関係に色を入れてあげれば更にリアルに仕上がったと思います。

今日の作業はここまで。